つつみ鍼灸整骨院BLOG

2022.11.15

皮膚炎・褥瘡などの「おしり」周囲の皮膚トラブルについて

つつみ鍼灸整骨院の菅野です。今回は高齢者に意外と多い「褥瘡」などの、おしりまわりの皮膚トラブルについてお話させていただきます。

鍼灸整骨院でおしりが痛いというと椎間板ヘルニアや坐骨神経痛などの腰痛関連のご相談はもちろんありますが、坐骨・尾骨など肛門部付近の表面の皮膚炎や褥瘡などの悩みを訴える方もいらっしゃいます。

 

 

 

褥瘡・床ずれとは

寝たきりなどによって、長い時間体重がかかり、体の一部が圧迫され続けることで、皮膚に栄養がいきわたらず、組織が損傷してしまうことを言います。初期症状は肌に赤みが見られ、進行すると内出血や水泡になります。さらに重症化が進むと壊死し、皮下脂肪や筋肉などまで傷が広がる治りづらい状態になってしまいます。その傷から雑菌が入り感染症を引き起こしやすいリスクもあります。

骨が突き出している部分に強く圧迫がかかりやすいため、仙骨部や坐骨部もなりやすい部位の一つです。褥瘡は数時間という間に発症しますが、治療はすぐには治らず時間がかかる病気です。そこでなる前の予防が重要になります。

 ・体位変換をする

2時間ごとに行うことが理想的で、好発部位にエアマットレスやクッションなど体圧分散する寝具を上手く利用することで、圧迫される箇所の負担を軽減させます。

 ・栄養バランスの良い食事と水分をとる

食事量が少ない方は栄養価が高い食品とり、身体の栄養状態を保ちましょう。

 ・清潔を保つ

排泄物や汗により皮膚への刺激が加わって炎症を起こしやすい状態になります。

下着やおむつ等は通気性の良いものを使用し、もしも汚してしまった場合はぬれたままの状態を長時間にならない様に気を付けましょう。

 ※ステロイドや抗ガン剤などの副作用で免疫力が下がって皮膚がもろくなることもありますので、服用しているお薬の内容を確認する事も大事です。

 

 予防可能な疾患ですが、体調不良や食事が思うようにできなかったり、充分に注意していてもなってしまう事もあります。初期状態での早めの治療と重症度に合わせた治療が必要になる可能性もありますので、心配な場合はすぐかかりつけのお医者さんや看護師さんに相談しましょう。

ご自宅で塗薬を使用し様子を見ている方に鍼灸治療もオススメです。鍼灸治療に皮膚炎などのイメージがない方もいると思いますが、免疫系もかかわっている症状に鍼灸治療は有効的です。

 重度になる前の褥瘡部位の周囲鍼灸治療を行うことで組織の血行をよくし、皮膚の再生を促進させることや、寝たきりの状態が長い方には関節の拘縮や筋肉の緊張や萎縮のためのケアを目的とした治療も行っています。

 皮膚ケアで実際に使用しているツボのご紹介もさせていただきます。

 

・太淵(たいえん)手首の内側、親指の付け根の凹み、触ると脈の拍動を感じるツボ。皮膚炎だけでなく呼吸器疾患にも効果がある

 

 

 

 

 

・曲池(きょくち)肘の外側で肘を曲げた時にできるしわの先端にあるツボ。肌荒れや乾燥肌、吹き出物などの肌トラブルに良い

 

 

 

 

 

 

・腎兪(じんゆ)ウエストのくびれのラインの背骨から指2本分外のツボ。冷え性にも有効的で血流を良くする

 

 

 

・肩髃(けんぐう肩の前面部で腕の境目付近のくぼみにあるツボ。かゆみ、アレルギー疾患にも効果がある

 

 

私は主に往診で訪問の鍼灸治療を行っています。患者さまの中には女性の方も多くデリケートな場所に皮膚の炎症や褥瘡の初期症状が出てしまい、恥ずかしい気持ちや自分ではどうなっている状態か分からないから病院に行った方がいいのか迷っているというお話もよく聞きます。

 

 

どのようなお悩みにも色々な提案が出来るよう努め参りますのでお気軽にご相談ください。

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