変形性股関節症の症状緩和に有効な方法はコレ!
つつみ鍼灸整骨院の院長の松岡です。今回は変形性股関節症についてです。
変形性股関節症は近年お悩みの方も多く、日常生活での歩行・階段昇降などでの痛みや関節が固くなり可動域の制限が起こりやすい、難治性の疾患です。大腿骨の骨頭を覆う関節軟骨が摩耗し、骨頭の変形が起こります。進行性の病変で、日頃からのメンテナンスが重要になってきます。
変形性股関節症の原因は?
先天性股関節脱臼の既往のある方がとても多いです。先天性股関節脱臼は近年は減少している疾患ですが、出生時の約2%に見られるともいわれています。先天性股関節脱臼の既往がある方は、臼蓋形成不全(きゅうがいけいせいふぜん)といって、大腿骨の骨頭の受け皿である骨盤の臼蓋が小さくなってしまっていることが多いです。大腿骨頭は寛骨臼が覆っていますから、臼蓋が小さくなれば、当然大腿骨頭への荷重負担が大きくなります。通常歩行であっても、股関節には体重の3から4倍の負荷が股関節にかかると言われていますから、変形のある場合は尚更です。
この図は通常の股関節ですが、赤丸で囲った部分が臼蓋の屋根です。この屋根の「でっぱり」の部分が臼蓋形成不全の方は小さくなります(図は正常な股関節です)骨頭を大きく臼蓋全体で包むのか、骨頭を小さい臼蓋で包むのか。当然ですが、大きく臼蓋を包む方が大腿骨頭への負担は減少し、小さければ骨頭への負担は大きくなり、変形の加速・痛みの原因になるわけです。
症状緩和に有効な方法は?
①体重を落とす
まず、あなたが太っているのであれば、体重を減らすのは絶対条件です。股関節は上半身の重心を左右に分散させる働きがあり、そのスプリングの役目を果たしているのが、股関節周囲の筋肉です。ですので、体重を減らし、上半身の重みを軽減させることで股関節にかかる負荷は当然軽減します。また、股関節の筋肉の柔軟性は重要です。変形性股関節症の方の、股関節は拘縮といって関節が固まっていたり、筋肉自体が固く柔軟性がないことが多くあります。先ほど説明した通り、股関節は加重関節であり、上半身の重みを分散させる働きがありますから、関節をとりまいている筋肉や関節包が固く柔軟性が低下していると、股関節のスプリング機能がそもそも低下するので変形が加速し、痛みは当然強くなります。
②手術
変形が軽度であれば当然その必要はありませんが、変形性股関節症は進行性の病変ですので経過観察は必ず必要です。手術方法は変形の程度・年齢を考慮し選択されます。低侵襲の寛骨臼回転骨切り術(CPO)は従来の寛骨臼回転骨切り術(RAO)よりも身体的侵襲が少なく、比較的初期の変形性股関節症の手術に行われます。人工骨頭の置換術(BHA)は関節の変形が高度である場合に選択されます。ご自分がどのステージの変形なのか、把握しておくことは非常に重要です。もしあなたが股関節の痛みがあるのであれば、年に1回程度は整形外科の受診をし、股関節の変形の程度を把握しておくことをオススメします。
③サポーター
股関節のサポーターを利用し、股関節の負担を軽減させることは、非常に有効と思います。ですが、あくまで長距離歩行をする時や階段を多く登る時などの股関節の負担が強いられる時や痛みが強い時などに限局して利用し、常時着用は、なるべく避けた方が良いです(骨頭の変形程度・痛みの程度にもよりますが)なぜならば、サポーターは骨盤周囲の筋肉や関節をサポートするので、当然筋肉・関節の負担は軽減しますが、楽をしているので骨盤帯の筋力の低下につながるためです。あとは当然ですが、サポーターをしたからといって変形した股関節が治ることはありません。
※一般的に股関節のサポーターは販売されていないので、下のリンクに当院の楽天ショップの股関節サポーターのリンクを貼り付けておきます。
https://item.rakuten.co.jp/global-linx/compass1522453176/?s-id=rk_shop_pc_rnkInShop
③鍼灸
鍼灸は股関節の痛みの軽減、股関節の可動域改善に有効です。変形性股関節症の方は、先ほども説明の通り関節の拘縮などにより、関節の可動域が減少していることが多いので、臀部、股関節周囲の筋肉を緩めることによって、股関節のスプリング機能が改善し、日常生活動作での制限は軽減します。もしあなたが『手術をなるべく避けたい』と思っているのであれば、鍼灸は強くオススメ致します。
変形性股関節症で悩む方が少しでも痛み・症状が緩和しますように。お悩みの方は迷わずご相談くださいね。