「物忘れと認知症」の違いは?
こんにちは、つつみ鍼灸整骨院の菅野です。
4月に入り新年度になると何かと忙しい時期かと思います。やる事が多いとついつい何かが抜けてしまったり、気を付けていたつもりが忘れてしまった事はないでしょうか?
今回は往診の際にもよく聞かれる「物忘れと認知症」の違いについてお話しさせていただきます。
まず、年齢を重ねていくと誰にでも起こる物忘れについて。
例えば「どこに携帯を置いたのか?」「約束した日にちは何日だったのか?」など、人間の脳は加齢とともにその機能が老化し、記憶力、判断力、適応力などが衰えていきます。これは誰にでも起こる自然な老化現象です。
蓄積した記憶を呼び起こすのに時間はかかりますが、「携帯を置いた事」や「誰かと約束した事」は覚えています。何かのきっかけやヒントがあれば思い出すことができ、日常生活に支障がでない範囲のことが多いです。
次に、認知症による物忘れについて。
先ほどの記憶を呼び起こす能力が衰えてくるのは老化現象ですが、物事を記憶する機能自体が障害されているのが認知症です。例えば「携帯を置いた事を忘れてしまっている。」「約束した事自体を覚えていない。」など、きっかけやヒントがあっても思い出すことができない状態になります。
認知症には色々な種類があり、一番多いのがアルツハイマー型認知症です。
認知症の方の中で最も多く、全体の7割を占めています。脳の神経細胞にアミロイドβというたんぱく質がたまり、それが神経細胞を破壊し脳が委縮することで発症します。たまる原因は明確な事は分かっていませんが、遺伝や加齢が影響すると言われています。初期症状は通常の物忘れ、次に行動自体の物忘れ。さらに進行すると性格の変化・失禁・徘徊など日常生活に影響が出てきます。現在日本における認知症の方は65歳以上の場合は5人に1人と言われています。
※18~64歳までに発症した場合は若年性認知症と分類されます。
実は身近で、原因不明なものも多く、いつ発症するか分からない認知症ですが、
ではどのように予防していけばいいのでしょうか?
・運動習慣を持つ…散歩など外に出る機会を増やす・運動不足解消・家ではない非日常の刺激を受ける。
・対人接触の機会を増やす…人との会話は脳と口を動かす運動・電話でも可。
・持病、生活習慣病の予防と治療…体調不良をきっかけに発症するケースが多い。
・睡眠をきちんととる…起床後は2時間以内に太陽の光を浴びる。
・栄養バランスの良い食事…認知症にいい食べ物(大豆製品・緑黄色野菜・海藻類・果物・芋類・魚等)を積極的に摂取する。
・知的行動の習慣…文章の読み書き・趣味の時間を作る等
どの行動も心身ともに健康な身体作りが重要ということです。
そして、現在は頭を使う「脳トレ」が体操や問題集など色々な形で出ています。
などなど・しりとり・回文・計算問題・漢字クイズ・ぬりえ・点つなぎ・間違え探し・
指折り運動・足踏み運動・後出しじゃんけん等。
よく老人ホームやデイサービスなどレクレーションの一環として使われています。
脳を活発に働きかける事が重要ですが、それには脳の血流をよくさせる事も大切です。
そこで、当院でも行っている脳の血流改善のツボをご紹介いたします。
・百会…頭頂部のほぼ中央にある少しくぼんでいるツボ。脳内血流を良くし、頭をスッキリさせる。
・四神聡…百会から前後左右に親指幅分にあるツボ。集中力を高め、脳活性化につながります。
・風府…後頭部の中央の生え際から親指分上のツボ。「脳の玄関」と呼ばれる頭の症状を取るのに有効です。
・神門…手の平側で手首の小指寄りの端にある凹みにあるツボ。精神を安定させ、不眠解消や物忘れにも効果があります。
手の届く範囲でツボを意識しながら、マッサージを行ってみてください。
他にも当院では物忘れ・認知症の方へオススメのサプリメントも置いております。
ご自身で物忘れに不安のある方、ご家族に認知症の診断を受けた方、
どうぞお気軽にご相談ください。